
<MSPになろう> 第二回 : MSPってなに?(2)
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こんにちは。ライプジャパンの後藤です。
前回はクラウドのリセラー企業とエンドユーザー企業の課題や目標に対する解決策としてマネージドサービスプロバイダー(MSP)という形態についてご紹介させていただきました。
今回は「MSPとはどういうものか」についてもう少し詳しくお話したいと思います。
まずマネージドサービスとは何かについて、英語版Wikipedia(Managed services - Wikipedia)の説明を私のほうから訳してみました。
《マネージドサービスとは》(from Wikipedia)
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マネージドサービスとは、運営(オペレーション)を改善しコストを削減することを目的として、一連のプロセスや機能を維持する、あるいは必要性を見越して準備する、といったことの責任をアウトソースする慣行のことである。
「Break/Fix」やオンデマンドアウトソーシングといった、必要となった都度サービスを提供して作業に応じた課金をする、というモデルとは異なる方法論である。
クライアントや顧客が管理対象となる組織やシステムの監督責任を保持しつつ、マネージドサービスプロバイダー(MSP)がサブスクリプションモデルに基づきマネージドサービスを提供する。クライアントとMSPはパフォーマンスや品質に関するサービスレベル規約を締結し両者間の関係性を計測する指標とする。
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すこしややこしいですが、私のほうから解説します。
《マネージドサービスの在り方》
まず何より大事なのは、「顧客とプロバイダーがゴールを共有する」という点です。上記では「運営を改善しコストを削減する」というのがゴールです。実際にはセキュリティ強化だとか営業効率の向上だとか様々なパターンがあります。
マネージドサービスプロバイダーと契約すればコスト削減や営業効率向上が必ず約束されるわけではありません。ゴールに近づくために必要なサービスレベル規約を定めて、そのサービスレベルを実現することがプロバイダーの責任です。ゴール実現に直結する「管理対象となる組織やシステムの監督責任」は顧客が保持します。サブスクリプション契約ですので、プロバイダーのサービスがゴール達成に役立たないとなれば、すぐに契約を打ち切ることができます。なので、サービスプロバイダーは常に顧客のゴールにいかに役立つのかを考え意義のあるサービスを提供し続けないと、すぐに「切られて」しまいます。
そして、上記の説明を見ると、そもそもクラウドサービスを使うのかどうかは、本質的には「どうでもいい」ということもわかります。ゴール実現のために効果的なツールを持ち込めばよいのであって、マネージドサービスは必ずクラウドベースであるとは限りません。
ただ、「使った分だけ払えばよい」とか「世の中の変化に合わせて継続的にアップデートされる」などのクラウドの特徴がマネージドサービスにぴったりとマッチするため、多くの場合マネージドサービスとクラウドサービスがセットで語られるようになったというわけです。
だいぶ長くなってしまいましたので、続きは次回とさせていただきます。引き続きお付き合いください。